受付の片隅にて

患者さんからは見えない受付の片隅に、ちょっと変わった招き猫がいます。

招き猫ならぬ、「追い出し猫」といいます。

 

福岡県宮若市で作られているもので、宮若市に足を運ぶと至る所に追い出し猫がいます。

この猫の面白いところは、ひとつの体に二つの顔を持っているところ。

DSCN0417片面はにっこりと笑い

DSCN0418ひっくり返すと 片面は怖い形相で睨んでいます。

この怖い方の顔を玄関の入り口のほうへ向け、にっこり笑った方を室内へ向けるのが正式な置き方。

怖い顔で悪いものを追い出し、良いものは部屋の中に守るという理由なのだそうです。

その昔、宮若のお寺にたいそう猫好きな和尚さんがいたそうです。

その和尚さんはとても悪い大ねずみの被害に困っていました。見かねた猫達が、力を合わせて大ねずみをやっつけたのですが、たくさんの猫達が命を落としてしまいます。その猫達を供養する為に作られた猫塚が、今も宮若市にあります。

そうして誕生した、悪いものを追い出して幸せを守るという“追い出し猫”。

受付に置くにはちょっと怖いので、受付の片隅の見えないところで見張ってくれています。

ちょっと変わった招き猫のお話でした。