患者さんからは見えない受付の片隅に、ちょっと変わった招き猫がいます。
招き猫ならぬ、「追い出し猫」といいます。
福岡県宮若市で作られているもので、宮若市に足を運ぶと至る所に追い出し猫がいます。
この猫の面白いところは、ひとつの体に二つの顔を持っているところ。
片面はにっこりと笑い
ひっくり返すと 片面は怖い形相で睨んでいます。
この怖い方の顔を玄関の入り口のほうへ向け、にっこり笑った方を室内へ向けるのが正式な置き方。
怖い顔で悪いものを追い出し、良いものは部屋の中に守るという理由なのだそうです。
その昔、宮若のお寺にたいそう猫好きな和尚さんがいたそうです。
その和尚さんはとても悪い大ねずみの被害に困っていました。見かねた猫達が、力を合わせて大ねずみをやっつけたのですが、たくさんの猫達が命を落としてしまいます。その猫達を供養する為に作られた猫塚が、今も宮若市にあります。
そうして誕生した、悪いものを追い出して幸せを守るという“追い出し猫”。
受付に置くにはちょっと怖いので、受付の片隅の見えないところで見張ってくれています。
ちょっと変わった招き猫のお話でした。